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大分県で地元協同組合の特別講習会が開催されました
2017-01-23
カテゴリ:講習会
1月22日(日)大分市「iichiko総合文化センター」において、大分県運転代行事業協同組合主催の講習会が開催され、当組合の丹澤理事長が、公益社団法人全国運転代行協会会長として招かれました。
当日は、会長の「近年の運転代行業を取り巻く現状と課題」と題した講演はじめ、大分県警察本部交通企画課の林田宗一係長から「交通安全に対する運転代行業の役割と責任について」、大分県交通政策課の佐藤恭司主幹から「運転代行業における適正な業務運営について」、大分労働局労働基準部監督課の川辺博之課長からは「運転代行事業者が順守すべき労働関係法規について」、当共済理事であり同協会長崎県支部の山口英治支部長が、長崎県自動車運転代行業連絡協議会会長として「長崎県における活動事例」について、それぞれ講演されました。
 
始めに講話されたのは県警本部の林田係長で、過去5年間減少傾向にある飲酒運転は、運転代行が受け皿として機能しているためと、業界に対しての労いの言葉がありました。
しかしながら、運転代行が第一当事者の事故が毎年起きていることに触れられ、事故を起こすことによって発生する、「経済的損失=人の怪我・物の損害」「人的損失=人の命の亡失はフォローできないもの」「信用・信頼の失墜」について、「ハインリッヒの法則」を基に、一つの事故を軽視せず、指導と教育を強化し、「命と財産を守る業としての防止策」を講じてほしいと要望されました。
その対策のヒントとして、運転代行業務中の事故の特徴について、一般の事故発生時間帯は通退勤途上にあたる朝7時~8時、18時~19時が多いが、運転代行は発生する最多時間帯が0時~1時であることと、追突事故が全体の46.2%を占めることを挙げられ、集中力の低下による居眠りや、運転代行が、短時間で先を急ぐ夜間走行の視認性を、正しく理解出来ているか意識することを厳しく求められました。
 
県の佐藤主幹からは、資料を基に事務権限について改めて説明があり、その上で、業者が利用者サービスの観点から、ちゃんとした仕事ができるよう、業界の現状の問題点や要望などの意見交換をしながら、良い方向に進めたいと話しがありました。
 
佐藤主幹の講話を受けて参加者からは、「未だ随伴車表示がマグネットシートのままの業者」や、「名義貸し」「白タクを行う違法業者」が多いことなど、今後の健全化に向けて問題となっている具体例を挙げ、現状の改善を訴える活発な意見や質問が出されました。
佐藤主幹は、「通報があれば対応します」と明言されましたが、業者側にとってみれば、「適正化・健全化を目指して通報することを『チクった』と言われかねない」という不安が根強くあり、「どういう場で、どのような形で行政に伝えるのか。今までも一切改善されていない。具体的に誰がどう取り締まるのか。」といった、今までの経緯も含めた切実な声が多数挙がりました。
この質問に対し会長から、業者ではなく行政に向けて、大変厳しい、しかし業界の思いを代弁する、次の言葉がありました。
「行政は現場を知らな過ぎる」
「業法・罰則を熟知していない、業者も知識がなく学ぼうとしない」
「県が主催者として業者を集めて講習会をするべき」
「行政も業者も、勉強不足や、面倒くさい、で動こうとしない」
「少しずつでも、お互いにどう改善していくか考えなければならない」
「誰かがやってくれる、ではなく、自分たちで業として成り立つようにしていかなければならない」

など、臨場していれば誰もが身のすくむような厳しい指摘でした。
 
これは行政に向けて発せられ形ですが、実際には参加した業者全員に向けて叱咤された言葉でもあります。これだけ行政に、真剣に取り組んでいただくようにお願いしているのに、業界が自分たちの意識を変えて行動しなければダメだと、伝えたかったものです。
 
引き続き、労働局の川辺課長からは、「業界全般の傾向として、労働関係法規の基本的理解がされておらず、指導を受けるなど、トラブルが多発している」と指摘がありました。
提出が義務付けられた書類の管理や、最低賃金と割増賃金、深夜手当、残業手当、健康診断など、他業種では当たり前に行われていることが守られていない実態の改善を、労働行政便覧を基に詳しく説明され、最低賃金割れや割増賃金の不払いなど、賃金に関することは過去に遡って支払い命令が出されることや、待機時間中も拘束時間として賃金として計算しなければならないこと、有給休暇はアルバイトやパートにも同様に付与するなど、労働基準内容を守る意識をもった事業運営の必要性にも言及されました。
 
続いて、長崎県の山口支部長から、県内の飲酒運転根絶キャンペーンについて、DVDを上映しながらの活動報告がありました。
県内各地の代行業者と大村警察署が合同で実施しており、昨年は4回目の開催でした。
各地区の協議会に加盟する代行業者がキャラバン隊を編成し、JD共済が制作したオリジナルの歌詞の交通安全ソングを流しながら、パトカーの先導で県下全域をリレー式に回るもので、このような全県巡回型の啓発活動は全国でも長崎県だけの取り組みで、山口支部長のけん引力と、各地区会長と各協議会員が山口支部長のひたむきな働きかけに呼応された結果です。
運転代行の認知度アップとイメージアップに多大な貢献をされています。
 
そして締めくくりに、丹澤会長から、再び業者に対しても行政に対しても、大変厳しい話しがありました。
「業者はまだまだ法の理解レベルが低い」
「代行で食べて行ける、レベルを上げた業界にするためには、社団に加入し、法の内容を学び、力を合わせる必要がある」

「そのために一番にすべきことは、地域料金の統一化に力を入れることである」
「行政は、業者の現状やレベルの低さ、法の不順守状況などを甘く見過ぎている
「不当廉売・労基違反・税未納などの問題は、通報制度を通じて立ち入り等の指導強化をしないと業者は懲りないし変わらない
「今後は、省令改正で対応できる、随伴車の営業ナンバー化、新規参入業者の最低台数3台以上の設定などを要望していく」
「JD共済が主催しているSDDプロジェクトの書道コンクールは、飲酒運転根絶と代行利用促進を目的に取り組んでいる。社団も後援に付いているので、業界のイメージアップと代行利用促進に有効活用してほしい」
など、人任せでなく、自分たちで考え行動を起こさなければ、この変革のチャンスを活かすことは出来ないと熱く語りかけました。
 
参加された事業者の皆様には、丹澤会長の業界発展を願う思いに呼応し、業界の健全化と、事業として成り立つ環境を目指して、自ら行動を起こしていただきたいと願っております。
 
当日は、日曜日にもかかわらず来賓講師としてご出席された行政の皆様、お疲れさまでした。
また、会場設営、書道作品掲出などの事前準備にあたられました、大分県運転代行事業協同組合の皆様 、お疲れさまでした。
 
そして、当日朝までの業務終了後にも関わらず、受講されました代行事業者の皆様、お疲れさまでした。
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